先日いらしたアレルギー体質の患者さんの話です。
この患者さんは目が痒くなったり、鼻炎が有ったりで、以前からアレルギー体質でしたが、最近更にその症状がひどくなってきたそうです。
この患者さんは目が痒くなったり、鼻炎が有ったりで、以前からアレルギー体質でしたが、最近更にその症状がひどくなってきたそうです。
血液観察をすると、小麦をはじめとした未消化のたんぱく質が大量に出てきていました。
アレルギー反応の原因はこの未消化のたんぱく質に対して交差反応が出ているせいかもしれません。お母さんはなるべく小麦はt食べさせないようにしていますが、他の子供たちが買ってきたお菓子パン、カップラーメンをよく食べたりするそうです。
「小麦は食べるな!」という本にこういう記述があります。
最近の研究では、小麦グリアジンが引き金になって、透過性を調整するゾヌリンというたんぱく質が腸に放出されることが分かっています。
ゾヌリンには奇妙な作用があり、通常なら腸細胞間で安全なバリアーの役割を果たしている密着結合を分解するのです。
グリアジンが引き金になってゾヌリンが放出されると、腸の密着結合が壊され、グリアジンや他の小麦たんぱく質の断片といった望ましくないタンパク質が血液に入り込みます。すると、T細胞などの免疫活性化リンパ球がこれに反応して、さまざまな「自己」たんぱく質に対する炎症過程を引き起こします。
このようにして、小麦グルテンおよびグリアジンが引き起こすセリアック病、甲状腺疾患、関節疾患、ぜんそくなどが発症します。
小麦のグリアジンたんぱく質はどんなドアでもこじ開けて、招かざる侵入者を入ってはいけない場所に入り込ませるのです。
グリアジン以外に、鍵をこじ開けて腸を破壊するものはそう多くはありません。ゾヌリンを放出させて腸透過性を亢進させる要因となる例に、コレラや赤痢をおこす感染性の病原体があります。両者の違いと言えば、コレラやアメーバ赤痢は、排泄物に汚染された飲食物を摂取する事によって感染しますが、小麦が原因の病気は、綺麗に包装されたプレッツセェルやカップケーキを食べて発症する事です。
つまり小麦タンパクはテニスのガット網目が広くし、そこから入り込んでしまうのです。これがリーキーガット症候群の作用機序です。
血中に出た未消化のたんぱく質は、好中球が処理します。以下の画像がその現場です。
異物が増え好中球がその処理をすると、フリーラジカルが発生します。そのフリーラジカルが、組織の粘膜やたんぱく質、DNAを傷つけるのです。だから、タンパク質を摂取しすぎると免疫細胞が本来の仕事が出来ずに免疫力が低下するというのもうなづけますし、加熱食を食べていると白血球の数自体が増加するというのも納得がいきます。
そしてこのリーキーガットを起こす原因は小麦タンパクだけでは有りません。
以下がそのリストです。(崎谷医師の著書から引用)
・非ステロイド系消炎鎮痛剤
・経口避妊薬
・抗生物質
・細菌毒素
・長期間の点滴(絶食)
・外傷、やけどなどのストレス
・糖類
・糠(玄米)
・アルコール
・グルテン(小麦)
・レクチン(大豆、小麦、大麦、ライ麦、インゲン豆、ピーナッツ)
・サポニン(大豆、小豆)
・グルコアルカロイド(トマト、ジャガイモ等のなす科の植物)
・カプノサイシン(とうがらし)
・タウマチン様たんぱく質(熟したバナナ、サクランボ)
*バナナなどは崎谷医師は自己免疫疾患の患者さんは避けた方が良いと言っています。
・タンニン
・牛乳
そして絶対に食べてはいけない食品に次の様なものを挙げています。
・加工肉(ハム、ベーコン、ソーセージ、サラミ、ホットドック、缶詰の肉)
・菓子類(アメ、ガム、クッキーケーキ、ドーナッツ、ドライフルーツ、マッフィン、ポテトチップ)
・市販のドリンク類(ソフトドリンク、缶コーヒー、ジュース)
・マーガリン、ピーナッツバター、ショートニング
・塩分の多い加工品(漬物、塩味のナッツ、スモークサーモン、サラダドレッシング、ケチャップ、塩味のスパイス、缶詰の魚)
そして、リーキーガットにより引き起こされる疾患は以下の通り。
・関節リウマチ
・多発性硬化症
・エイズ脳症
・強直性脊髄炎
・重症筋無力症
・アレルギー
・潰瘍性大腸炎
・クローン病
・シェーグレン症候群
・全身性エリテマトーデス
・逆流性食道炎
・ぜんそく
・慢性甲状腺炎
・炎症性腸疾患
・口内炎
・自閉症
・多動症
・うつ病
・統合失調症
・認知症
・慢性肝炎
・片頭痛
・糖尿病
非常に多くの疾患の原因となります。
恐らくこの患者さんの鼻炎の原因もリーキーガットなのかもしれません。
ここまで長くなりましたが結論
アレルギーのある方は、リーキーガットを引き起こす食材を除去してみましょう♪
特に主食である小麦を見直すと良いかもしれません。また、よく精製していない全粒粉なら体に良いというご意見を聞きますが、全粒粉だからと言って小麦タンパクのグリアジンの性質は精製した小麦と変わる事は無いので、やっぱり同じなんじゃないかな?と、思います。
特に主食である小麦を見直すと良いかもしれません。また、よく精製していない全粒粉なら体に良いというご意見を聞きますが、全粒粉だからと言って小麦タンパクのグリアジンの性質は精製した小麦と変わる事は無いので、やっぱり同じなんじゃないかな?と、思います。
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