今朝の千葉は風が強く少し涼しい朝を迎えております。
家の前はちょっとした雑木林の山林で、雨が降ると蛭が流れてきて、ガレージの所で長い体をくねらせてクニャクニャしております。この間なんかは30cmはある見たこともない長い蛭が居て、なんだろうか?と思い調べてみたら、どうやら「オウミスジコウガイビル」という外来種の蛭みたいでした。
でも、この蛭実は吸血をしないみたいで、日本で確認されている60種類の蛭のうち吸血するのはたった3種類ほどだそうです。
蛭に関しての参考ページ
この見た目はどうにも好感が持ちずらい蛭ですが、ヨーロッパでは古くから瀉血(しゃけつ)療法の道具として利用され、20世紀の初め頃までフランスやドイツなどで盛んに用いられていました。
生きているヒルを患部に当て、吸血させるという治療方法で、脳卒中や緑内障、肺結核などの治療に使われていたそうです。また、事故等で切断してしまった手や脚の接合手術後、接合部分の傷口にヒルを当て、血を吸ってもらい、接合した部分の血液循環を促進させ、壊死を防ぐという療法も存在していました。
蛭を使った瀉血療法なんていうと余りにも原始的で、不衛生に思えるかもしれませんが、近年、ヒルを用いた瀉血治療は、傷口からの細菌の感染防止に有効であることを科学的に証明され、
ヒルジン以外にも疼痛緩和に有効な成分がヒルの唾液に含まれていることが明らかになるなど、
ヒルを用いた治療法が注目され始めているそうです。やはり、ヒルを直接治療に用いるのには抵抗がありますが、(実際に用いる場合には、衛生管理の行き届いたヒルが使用されています)
ヒルが持つ有効成分を取り出し、培養して、新たな薬剤の開発が行なわれているようです。
また、漢方薬の世界においては、ヒルを乾燥したものは水蛭(スイテツ)と呼ばれ、
月経障害・子宮筋腫・打撲傷などに効能があるとされ、古くから用いられていました。
ところで、ヒルの英語名リーチ(Leech)は、もともと医者の意味であり、
チスイビルの学名(Hirudo)もラテン語で医者を意味しています。
このように、ヒルは古くから治療の現場で用いられてきたのです。
(一部引用終了)
また、この瀉血療法ですが、現在日本ではC型肝炎の治療に使われています。2012年に日本肝臓学会が出しているC型肝炎治療ガイドラインにちゃんと載っています。
(一部引用)
第4 章 瀉血療法
C 型慢性肝炎においては鉄代謝が重要な役割を演じている。鉄は体内ではヘモグロビンをはじめとした重要な蛋白構成成分として用いられる必須金属である。しかし鉄が過剰に存在すると細胞障害性の強いヒドロキシラジカルなどが生成され、酸化ストレスの原因となりうる。C 型慢性肝炎では鉄過剰による酸化ストレスが病変の進展の一因となっているため、瀉血療法が補助的治療として考案された。
また瀉血療法では鉄制限食を併用することも大切である。瀉血療法の適応は、肝庇護療法と同様でAST、ALT 値が異常を示す患者で、IFN 等の抗ウイルス療法が施行できない患者、抗ウイルス療法でウイルス排除ができなかった患者、抗ウイルス療法を希望しない患者などである。
1994 年にC 型慢性肝炎症例で瀉血療法にてALT 値の低下が認められることが日本から報告された188。さらに国内の多施設で行われた3ヶ月間のrandomized, controlled study で、瀉血療法のALT 値改善効果が認められた189。また瀉血療法によってALT 値が50%以上低下する症例は80%、ALT 値が正常化する症例は40~70%と報告されている190, 191。組織学的検討では、長期的な瀉血療法は組織の進展防止192、さらに改善を認めたと報告されている193。さらに長期的な瀉血療法によって、有意に肝発癌が抑制されたと報告されている190。
【Recommendation】
C 型慢性肝炎に対して瀉血療法は有用な治療である。
(一部引用終了)
このガイドラインで、瀉血療法の方法として、1回200~400 ml を1~2 週おきに行い、フェリチン値を20 ng/ml 以下まで低下させることを目標とする。と書いて有ります。という事は、健康な人でも酸化ストレスを軽減させるために定期的に献血するのは非常に理に適った健康法かもしれませんね!
献血は私たちがタダで血液を提供し、それが輸血(しかも輸血は危険!)や血液製剤に使われ利権を上げているからと思いここ最近やっていませんでしたが、健康に良いならまたやってみようかな?(済みませんノリが軽くって・・笑)
さて、前置きが非常に長くなってしまいましたが、この「瀉血療法と言えば蛭。」と、似たような考え方に、「刺絡療法を蚊がやってくれているんじゃないか?」という考え方を「リアンリーフ」さんが記事に書いて下さっていて、面白い!と、思ったのでご紹介します。
刺絡とは古くから針灸で用いられてきた治療法のひとつで、指先や体のツボを針で刺し、数滴血を絞ることにより特に急性疾患に著しい効果を挙げることができる技法でした。ところが新潟大学医学部の安保徹教授らはこの刺絡が効くしくみを科学的に解明し新たな治療法として確立しました。それが刺絡療法だそうです。
私も一度(故)福田 稔先生も刺絡療法をされているのを見たことが有りますが、気を通すのと併用するととても効果が有るそうです。
それで、リアンリーフさんは、蚊に良く刺される人っていうのは血液が汚れていて、蚊がこの刺絡療法をやってくれているんじゃないかと言う見解を記事に書いていらっしゃいました。
詳しくはこちらから
これって中々興味深い意見じゃないですか?実は蚊の唾液には蛭と同じように、麻酔物質、血液凝固抑制成分等が含まれていますし。こんな話を覚えておくと、蚊に刺された時にも厄介者にやられた等とは思わず、蚊に刺された事にも感謝する事が出来そうですね!実は自然界って私たちが思っている以上に良くできているのかもしれません。