Quantcast
Channel: スピ系歯医者の心身リセットラボ
Viewing all articles
Browse latest Browse all 1787

メディアに思考を乗っ取られるな!難病バージャー病の本当の原因は?

$
0
0
こんにちは

3月4日付の朝日新聞に日本では新薬承認に厳格な審査が有り、それが壁になって産業を興す事が出来ないと言う記事が載っていました。この例では大学の先生が手足の血管が詰まる難病「バージャー病」に効き目が有る薬が日本の新薬承認の手続きが遅くロシアで先に発売されてしまって、やりきれない思いがしたという記事が載っていました。

でも、ちょっと待って下さい。バージャー病の原因って何でしょうか?歯科関係の方であればこれは手足の血管に歯周病菌が血流を廻ってたどり着いてしまう事が原因になっていると、御存じであろうと思います。また、この疾患は喫煙との関連性が強く疑われていますよね。と、言う事はこれって生活習慣病じゃ有りませんか?喫煙や歯周病のコントロールをせずに薬を投薬する事はやはり対処療法では無いでしょうか?薬を服用する事で症状を抑える事は可能かもしれませんが、そう言った生活習慣が改善されない限りまた再発してしまう可能性が無いでしょうか?

これは、マスコミが如何に市民にとって有る一方的な偏った情報を流している事の一例だと思います。この記事を読めば誰だって、「手足が腐る病気になったら怖い→日本でも早く新薬の承認の手続きが行われる様になると良い」と難しい顔をして考えますよね。でも、これって一種の世論操作じゃないでしょうか?だって、バージャー病は喫煙や歯周病に関連した生活習慣病だと他方では言われているんですから。これは医療が科によって情報が分断されていて全体像が見えにくくなっている事、新聞ばかり見ていると簡単に思考を操作されてしまいかねないと言う事の一例かもしれません。

そして更に言ってしまうと、歯周病のコントロールについても歯医者で出来る事(対症療法)よりもセルフケアで出来る事の方がずっと多いと知って下さい。食事、睡眠、日光浴、運動、ストレス管理等の、生活習慣の見直しで免疫力を上げるのが何よりも大事だと思うのです。歯周病も歯医者で治してもらう病気では決して無いと私は思います。自分の身体のケアを出来るのは自分自身をおいて他には居ないと思います。セルフケアについてはまた今度考察します。



以下に朝日新聞の記事と東京歯科大学のバージャー病に関するプレスリリースを引用します。



(朝日新聞デジタルから引用)

(限界にっぽん)第2部・雇用と成長:11 規制の弊害

http://digital.asahi.com/articles/TKY201303030406.html?ref=comkiji_txt_end_s_kjid_TKY201303030406

紙面写真・図版

大阪大の森下竜一教授の実験室で、遺伝子治療薬の効き目を調べる研究者

紙面写真・図版

遺伝子治療の実験を指導する森下教授(右)=いずれも大阪府吹田市、戸村登撮影

紙面写真・図版

関西の主力産業の移り変わり

 ■新薬承認、厳格審査の壁

 「(昨秋に)ロシアで発売された遺伝子治療薬を、私も使えませんか」

 3年前から診てきた男性患者(50)にこう頼まれて、大阪大の森下竜一教授(50)はやりきれない思いにかられた。

 その薬は、本来なら自分がもっと早く、世界で初めて実用化できると思っていたからだ。血管を再生する働きがある遺伝子をつかう「遺伝子治療薬」で、手足の先に血を送り込む血管がつまる難病「バージャー病」に効き目がある。

 森下教授は2001年に薬をつくり、患者に試す臨床研究に入った。翌年、05年の製造販売をめざして開発会社「アンジェスMG」を新興市場の東証マザーズに上場した。大学の研究室から生まれたベンチャー企業の上場第1号だった。

 「実用化は近い」と期待が高まり、投資家からまたたく間に180億円の資金が集まった。開発資金を出す大手製薬会社も現れた。

 遺伝子などを利用する「バイオ」ブームがわき起こり、バイオ関連のベンチャー企業も一気に増えた。

 流れに乗って、関西の主力産業に育てようと、大阪府が開発した北部の丘陵地帯をバイオの一大拠点にしようとした。「バイオ都市」をめざす関西の象徴がアンジェスMGだった。

 ところが、その夢は急速にしぼんでいく。

 薬として売り出すには、効き目や副作用の程度を確かめる臨床試験(治験)をし、厚生労働省の承認を得なければならない。難病なので患者が少ないバージャー病でも、厚労省はほかの病気と同じように、細かな条件を満たした患者を集めるよう求めた。それに応えるために、承認申請までに上場から6年を費やした。

 申請後も、手続きは遅々として進まない。「外国人の臨床試験を」と追加データの提出まで求められた。しびれを切らし、10年に申請を取り下げた。患者が多い別の病気で臨床試験し、申請し直すことにした。

 厚労省は「効果の確証が得られなかった。患者の少ない難病の治療薬は、効果と副作用を見極めるのが難しく、厳しく審査せざるをえない」と説明する。だが、森下教授は「臨床試験では、27人のうち19人の症状が改善した。厚労省は、先進国で初めて遺伝子治療薬を承認することになるので、薬害をおそれて二の足を踏んだのだろう。基準があいまいで行政の裁量の余地が大きく、手続きが遅い。これではバイオ産業は起こせない」と反論する。

 結局、「世界初の難病治療薬」はロシアに先を越されてしまった。薬を待ち望んでいた日本の患者たちの期待に応えられないのが何より悔しい。バイオブームも冷め、アンジェスMGにお金を出した投資家や大手製薬会社は離れていった。臨床試験の費用で赤字が続き、この3月末にはアンジェスMG社員の3分の1にあたる16人が退社する。

 新薬を安易に承認し、患者に重大な被害を与えてはならない。審査が厳しくなるのは当然だ。

 だが、あまりに長く続く厳格な審査は、技術革新を妨げ、研究者の開発意欲をそぐ。日本遺伝子治療学会の金田安史理事長(大阪大教授)は「審査に時間がかかるのは、専門家がいないからだ」と改善を訴える。

 ■iPS実用化でも

 京大の山中伸弥教授のノーベル賞受賞で注目されたiPS細胞(人工多能性幹細胞)の実用化にも、過剰な規制が立ちはだかる。

 研究には、患者から取った細胞を増やす培養作業が欠かせない。だが厚労省は、一つの研究室につき1人の患者の細胞しか扱えないという規制を設けていたため、関西の自治体が規制を緩めるよう求めていた。

 厚労省は緩和に応じ、昨秋には「時間をずらせば、複数の患者の細胞を扱うのは差し支えない」という見解を明確に示した。

 それでもまだ、研究室がある大学と、国からそれぞれ、研究計画の事前審査を受けなければならない。承認に時間がかかり、研究が遅れる原因になっているとして、関西の自治体は「第三者機関を設け、その審査に一本化できないか」とさらなる緩和を求めている。

 中小企業の不満も強い。

 「厚労省の認可の問題が、大きな障害になっている」。兵庫県加西市で医療機器メーカー「トラストメディカル」を営む児玉崇社長は2月25日、自民党の日本経済再生本部の国会議員たちに訴えた。成長戦略には何が必要か、中小企業などから本音を聞くための会合でのことだった。

 児玉社長は3年前、感染症の原因になる10種類のウイルスを20分間で識別できる検査機を開発した。だが売れたのは20台ほどだ。「医療機器」の認可を取っていないため、検査機を医療目的につかう病院などへ売ることができない。だが、「認可を取ろうとしたら10年かかる」と困っている。

 会合に出たパナソニックの松下正幸副会長も「規制は新しいものを生み出す時、抵抗になる」と語った。再生本部で本部長を務める高市早苗政調会長は出席者たちの指摘をメモし、「技術革新の足を引っ張らないのが大事」と応じた。

 ■止まらぬ地盤沈下

 関西経済を担う新たな産業が育たず、地盤沈下が止まらない。

 もともと関西はたくましい商魂で次々と新産業を生み出し、民間パワーで成長を続ける「民都」だった。

 江戸末期の豪商たちは旧藩への借金を棒引きさせられて痛手を負ったが、商人が中心になって紡績業を立ち上げた。明治維新の工業化を引っ張り、関西は全国の綿糸生産の9割を占めるまでになった。

 戦後の復興期には、繊維に代わって鉄鋼や化学などの重工業が伸び、高度成長期からはパナソニックをはじめとする大手家電などの電機産業が大阪を支えた。

 だが次の産業が現れず、成長が止まった。力を入れてきたバイオは規制の壁を乗り越えられず、ものにならないでいる。大手家電メーカーの業績悪化が重なり、衰退に拍車がかかりかねない。日本全体の沈滞にもつながっている。

 それでも関西の自治体や財界は11年、バイオやエネルギー分野で「特区」の指定を受け、規制緩和を求めて政府との交渉を粘り強く続けている。これをてこにどこまで新産業を伸ばせるか、再生のカギを握っている。

(転載終了)



(東京歯科大学のバージャー病に関するプレスリリース)

「バージャー病と歯周病の関連が明らかにされる」

 東京医科歯科大学バージャー病共同研究グループは、6月27日(月)、本学特別講堂において記者会見を行い、手足の血管が詰まる難病で、国の特定疾患として指定されているバージャー病患者の患部から歯周病菌を検出し、バージャ病と歯周病の関連が明らかにされたと発表しました。


(左)岩井 武尚 教授 (本学大学院医歯学総合研究科血管応用外科学分野)
(右)石川 烈 教授 (本学大学院医歯学総合研究科歯周病学分野)


ポイント
  • 元喜劇王が片足を失なった難病の原因解明に世界初の手掛かり
  • 手足の血管が詰まるバージャー病と口の中の歯周病に意外な関連
  • 医学・歯学の総合的な研究を進める東京医科歯科大学ならではの成果

研究成果の概要

 バージャー病は、手足の血管が詰まり、悪化すると足趾または膝下での切断に至ることもある原因不明の病気です。わが国では約1万人の患者がいると考えられている難病であり、厚生労働省により特定疾患として指定されています。また東および南アジアでは依然多数のバージャー病患者が肢切断を受けています。この難病の原因の解明と予防法や治療法の開発のために、東京医科歯科大学ではバージャー病共同研究グループを組織して、大学院医歯学総合研究科血管・応用外科学分野岩井武尚教授と同研究科歯周病学分野石川烈教授らを中心に研究を進めてきました。
 今回の研究では、バージャー病患者の口腔内と患部の血管を調べて、歯周病とバージャー病との関連について検討しました。その結果、全てのバージャー病患者は歯周病と診断されその程度はいずれも中等度から重症、また患部の血管試料のほとんどからは歯周病菌が検出されました。一方、正常血管の試料からは歯周病菌は全く検出されませんでした。
 この発見は、今まで原因不明であったバージャー病と歯周病の関連を示した世界で初めての成果で、米国の血管外科専門誌Journal of Vascular Surgery 7月号に発表されます。この発見によりバージャー病の原因や悪化が口腔内の細菌特に歯周病菌によるという可能性が強く示され、バージャー病の予防法や治療法の開発のための大きな手掛かりが得られました。


「研究成果の詳細」はこちらから


(引用終了)



Viewing all articles
Browse latest Browse all 1787

Trending Articles