ママは歯育係9(前歯が中々生えてこない・過剰歯編)
前歯が中々生えてこないのですが
大丈夫でしょうか?という
ご質問もとても多く受けます♪
乳歯が抜けて前歯が中々
生えてこない原因として
次のような事が考えられます。
1,歯が大きくて生える場所がない
2,埋まっている歯の位置がずれている
3,過剰歯と言って規格外の歯が埋まっている
3の過剰歯について次のような
質問をお受けしました。
Q;うちの子、前歯の乳歯で、「いらない歯」(いびつ)
というのが生えていて、そのいらない乳歯の
前歯のはぐきの下の方にいらない歯に
抑圧されたこれまたいらない乳歯が
いびつに生えようとしています。(レントゲンで確認)
現地の歯医者さんでも、いらない歯を
早々に抜いてしまえ、という意見と、
もうちょっと観察しようという意見とで分かれています。
で結局安全をとって、ここ一年で二回の検診の末、
もうちょっと待ってみようという事になりました。
わたしは「いらない歯」という存在今回初めて
知ったのですが、もしご存知でしたら、
対処方法などお聞かせいただければと思います。
この「いらない歯」というのは過剰歯と呼ばれる
通常よりもサイズが小さい規格外の歯のことかと
思われます。
過剰歯は上の前歯の付近によく見られます。
通常はパノラマという大きなレントゲンを
撮影した時に見つかることが多いです。
♠ケース1
以下のレントゲン画像の青い矢印の部分が
過剰歯です。このケースでは3本の規格外の
過剰歯が埋まっていました。
また、ピンクの矢印の部分は通常の
永久歯です。このケースでは過剰歯に
じゃまされてこのままだと永久歯が生えて
こられない状況なので過剰歯は抜いた方が
いいケースです。
また過剰歯にスペースを取られて永久歯の
埋まっている位置も悪くこのままだと
歯並びに影響するでしょう。
抜く時期は通常の永久歯の前歯の生え変わりの
時期に合わせて抜けば良いと思います。
大体7~8歳位が一つの目安になるかと思われます。
(詳しくはかかりつけの歯医者さんにご相談してね♪)
以下はレントゲン写真撮影の1年後に
過剰歯を抜歯後の口腔内の状況です。
前歯が1本生えてきました。
その後この症例では少し矯正的な介入もしながら
4本の永久歯が無事に生えてきました。
またこの症例の様に前歯のスペースが
極端に大きい場合は正中過剰歯が埋まっている
可能性があるので一度レントゲンで過剰歯が
ないかどうかかかりつけの歯医者さんで
ご相談してみてくださいませ。
♠ケース2
一方以下のケースは正中過剰歯の影響がなかったので
抜歯しなかったケースです。
青い矢印の先が過剰歯ですが、ケース1と違い
通常の永久歯よりも過剰歯の方が上に埋まっています。
このケースでは過剰歯は埋まったままで
永久歯の萠出に影響がなかったので
過剰歯は抜歯はしませんでした。
1年後
更に1年後
レントゲンで確認した所
過剰歯の移動も見られず
永久歯の萠出に影響はありません。
ただしこの場合に後から過剰歯が
移動して生えて来る場合があります。
その場合には永久歯の根を吸収して
しまう場合もありますので、
注意が必要です。
過剰歯が埋まったままになるか?
後から生えてくるかは過剰歯の形や
埋まっている方向によります。
元々過剰歯は規格外の形を
していることが多いので
どのような動きをするかは
一概には言えません。
ですから、過剰歯がある場合には
症例ごとにこまめに経過を見る必要が
あるかと思われます。
いつも記事をお読みいただき
ありがとうございます(^^)
それでは素敵な日曜日の午後をお過ごしくださいませ!
*この記事では個人的な臨床経験に
基づいた一般的な視点から書いております。
他にも治療の選択肢はあると思われます。
記事の内容に記載された方法が
「唯一の方法ではないこと」
「個人的なアドバイスではないこと」等を
ご理解いただけると幸いです。
また分からない事がございましたら
かかりつけの歯医者さんにご相談下さいませ。